歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド

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歯科医師が病気を見つけるとき 22
●東海大学医学部口腔外科学教室 佐々木次郎 + 水澤伸仁
歯肉肥大 血圧降下剤
◆◆◆ カルシウム拮抗性降圧剤 ◆◆◆
 高血圧症の血圧をコントロールする薬剤として、カルシウム拮抗性降圧剤はすばらしいものである。20世紀を代表する薬剤であろう。

 自分の疾患をいうのは嫌いだが、私は東海大学病院心循環器内科の田辺晃久先生に高血圧症の治療を受けている。田辺先生とカルシウム拮抗性降圧剤のおかげで血圧は安定し、元気に仕事をしている。このように素晴らしいカルシウム拮抗性降圧剤であるが、歯肉肥大を起こすこともある。服用者のすべてに起きるものではないが、いまのところ予防法はない。
◆◆◆ 歯肉肥大 ◆◆◆
 症例:平成12年4月26日、50歳の男性が、神奈川県相模原市の河原武彦先生から歯肉肥大の症例で紹介来院した(図1)。 「高血圧症で、3年前から相模原協同病院の内科から血圧の薬をいただいています。血圧のコントロールは順調です。3年間何事もなかったのですが、最近歯肉の肥大が起きました。歯周病になったと思い、河原歯科医院を受診したところ、東海大学を紹介されました」
図 1
図1
 At a first glance (初診で診たときの印象):カルシウム拮抗性降圧剤による典型的な歯肉肥大。服薬している薬剤をみせていただいたところ、降圧剤の2剤はアムロジンとセパミットのカルシウム拮抗性降圧剤であった。歯肉肥大の一部をデジタル写真に撮り、内科医に薬剤の変更ができないかをお願いした。水澤臨床助手にみせたところ、「僕だってカルシウム拮抗性降圧剤による歯肉肥大ぐらいは知っていますよ」との返事。「ゾロ製品が投与されているときに読者の皆さんにもわかるようにカルシウム拮抗性降圧剤の商品名を全部調べなさい」と命じた。その結果は表1.に示すほど多種あった。

 予後:カルシウム拮抗性降圧剤を他剤に変更することができれば、3〜6ヵ月で歯肉肥大は自然消失することが多い。自然治癒しないときに切除などを考えればよい。

表1 歯肉肥大を起こすことのあるカルシウム拮抗性降圧剤の商品名一覧
アカルジピン
アタナール
アダラート
アテネラート
アテレック
アプロバン
アポジピン
アムロジン
アルロール
アロトップL
アロニクスS
アンペクト
イセジピール
イデバン
エカテリシン
エマベリン
エレナール
カサンミル
ガドセリン
カルジオブレン
カルジオルフトL
カルスロット
カルトラン
カルナース
カルバン
キサラートL
クノラミンL
クラルートR
ケニカルノンLA
コニジピン
コニール
コバテンシン
コバニカルLA
コバニフェートL
コバラート
コポネント
コリネールL
コーレン
コロジレート
コロヘルサーR
サプレスタ
サリペックス
サンライト
シェトラゾーナ
シオペルミンL
シスカード
シナロング
ジルチアゼムR(塩酸)
ジルベイト
スパラートL
スプレンジール
セパジピン
セパミット
セレスナット
セレブレート
ダウンテンシン
ツルセピン
ドスペロピン
トルテンシン
ドローマー
トーワラート
ナックレス
ニカジルスL
ニカルジレート
ニカルピン
ニカルン
ニコデール
ニスタジール
ニトテロシン
ニトプレス
ニトレジック
ニトレナール
ニバジール
ニフェジピン カプセル
ニフェスロー
ニフェプランL
ニフェラート
ニフピン
ニルジピン
ニレーナ
ノルバスク
バイニロード
バイミカード
バイロテンシン
パゼアジン
バソセダン
パルチデールL
パルピート
パルペジノン
パレトナミン
バロジピン
バロテイン
ヒシロミン
ヒポカ
ヒロスタスR
プレアルピン
フロッティ
ベック
ヘマレキート
ペルジピン
ヘルベッサーR
ヘルラート
ホルミトール
マゴチロン
マリボロン
マルムネン
ミオカルジー
ミタピラ
ミルファジン
ムノバール
メノプリジンL
ヨウチアゼム
ラジストミン
ラミタレート
ランデル
ルチアノンR
レマール
ロシトール
ロニアン
ワソラン
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