歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド

歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド
Top診断力てすと > 2017年8月号 潰瘍形成を伴う臼歯部の疼痛

診断力てすと  診断力てすと


2017年8月号 潰瘍形成を伴う臼歯部の疼痛
内田大亮
Daisuke UCHIDA
獨協医科大学医学部 口腔外科学講座
〒321-0293 栃木県下都賀郡壬生町大字北小林880
歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド
図1 術中所見。切除後
図1 初診時の口腔内写真
図2 切除後の検体
図2 初診時のパノラマX線写真

患者: 67歳、女性
主訴: 右側下顎臼歯部の疼痛、潰瘍形成
現病歴: 右側下顎臼歯部の疼痛と潰瘍形成を10日前に自覚し、近歯科医院を受診した。同院で抗菌薬の投与を受けるも、症状が改善しないため、精査加療目的に当科受診となった。
既往歴: ・関節リウマチ;3年前に発症し、メトトレキセートと葉酸製剤の投与にて約4ヵ月で寛解、薬剤の継続により活動性はなく安定している。
・深部静脈血栓症;13年前に発症し、バイアスピリンとワルファリンによる抗血栓療法中である。
現症: 体温36.8℃。体格中等度、疼痛により栄養状態はやや不良、皮膚病変は認めなかった。FMCの舌側歯肉歯頸部を中心に、同部に限局した境界明瞭な穿掘性の潰瘍形成があり、歯根露出を認めた(図1)。硬結はなかったが、強い接触痛を認めた。画像所見では、の根分岐部から遠心根にかけて骨吸収像を認めた(図2)。
血液検査所見: 軽度の炎症とEBウイルス既感染の所見以外、他の感染症を含めて特記事項はなかった。
病理組織学的検査所見: 初診日にの抜歯と生検を行った。H-E染色像では、潰瘍周囲の上皮に変性壊死を認めたが、異型細胞はなかった。潰瘍部には細菌感染を伴う肉芽組織を認め、免疫組織化学染色にてCD20とEBウイルスencoded small RNAs(EBER)陽性のやや大型のリンパ球が高度に浸潤していた。
最も疑われる疾患名は?
  1.血腫
  2.口腔梅毒
  3.ヘルペス性歯肉口内炎
  4.メトトレキセート関連リンパ増殖性疾患
ANSWER
<<一覧へ戻る
歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド
歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド