2018年3月号 「歯根側面に認められたX線透過像」
二宮雅美Masami NINOMIYA 湯本浩通 Hiromichi YUMOTO
徳島大学大学院医歯薬学研究部
歯周歯内治療学分野
歯周歯内治療学分野
図1 初診時の部の口腔内写真
図2 初診時のデンタルX線写真
図3 瘻孔からポイント挿入
患者: | 65歳、女性 |
主訴: | 頬側歯肉の腫脹の再発 |
現病歴: | 2ヵ月前から頬側近心部歯肉に腫脹が認められるようになり、 近医にて切開処置や抗菌薬投与を受けていた。しかし、何度も再発を繰り返して完治しないため、精査を希望して本院を受診した。 |
既往歴: | 高血圧(降圧剤:ノルバスク® 服用中) |
現症: | 下顎前歯部には連結前装冠が装着されており、の頬側近心部歯肉に径3mm大のアブセス形成が認められた(図1)。に自発痛はないが、軽度の打診痛と歯肉の圧痛が認められた。プロービングデプスは、全周において3mm以下であった。 |
X線所見: | の歯根近心側に半円状の骨吸収像が認められた(図2)。瘻孔からポイントを挿入すると、ポイント先端は歯根近心中央部分を指していた(図3)。 |
Q | 最も疑われるの疾患名は? |
1.側枝由来の根尖性歯周炎 | |
2.垂直性歯根破折 | |
3.側方性歯周嚢胞 |