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2021年08月号 「硬性の開口障害」
鶴巻 浩 Hiroshi TSURUMAKI 隅田賢正 Yoshimasa SUMITA
社会医療法人仁愛会 新潟中央病院 歯科口腔外科
〒950-8556 新潟県新潟市中央区新光町1-18
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図1 初診時パノラマX線写真
図1 初診時パノラマX線写真
図2 初診時MRI写真。両側の咬筋は肥厚し、咬筋前縁に無信号領域を認める(矢印)
図2 初診時MRI写真。両側の咬筋は肥厚し、咬筋前縁に無信号領域を認める(矢印)

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患者: 72歳、女性
主訴: 口蓋部が痛い、口が開かない
初診: 2019年7月
既往歴: 高血圧症およびうつ病で内服治療中。
現病歴: 20歳代後半に開業医で、ld8を抜歯したが、口が十分に開かず、隣在歯であるld7も抜歯された。その後、某病院口腔外科で残りの智歯を抜歯したが、その際も第2大臼歯を抜歯されたとのこと。以降、開口障害がさらに進行したという。今回、食事時、口蓋中央部付近に硬いものが当たると痛みが強く、改善しないことをきっかけに当科を受診した。
現症:
全身所見; 体格中等度
口腔外所見; 顔貌は両側下顎部から下顎角部が膨隆し、いわゆるsquare mandibleを呈していた。開口度は自力、強制ともに22mmでhard end feelであった。顎関節部に圧痛、運動痛やクリックは認めなかった。両側の咬筋、側頭筋に圧痛はなかったが、開口時は咬筋の緊張が強く、硬かった。
口腔内所見; 軟口蓋、両側頬粘膜、下顎歯肉に径0.5〜2mm大のアフタ性潰瘍および小疱疹を散在性に多数認めた。周囲粘膜は発赤し、自発痛、接触痛があった(図1、2)。
パノラマX線写真所見; 下顎角の過形成を認めたが、顎骨内に異常所見は認めなかった(図1)。
MRI所見; 顎関節については、両側とも閉口時、開口時に関節円板転位は認めなかった。咬筋は両側とも肥厚し、咬筋前縁に無信号領域および筋内側に伸びる木の根状の像が認められた(図2)。
 
最も疑われる疾患名は?
1.顎関節症
2.顎放線菌症
3.咬筋内血管腫
4.咀嚼筋腱・腱膜過形成症
ANSWER
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