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TopQ&A小児歯科 > 小児患者への治療説明とスタッフの指導法(2015年4月号)
Q&A
小児歯科 (2015年4月号)
Q 小児患者への治療説明とスタッフの指導法
●小児の患者さんやその保護者へ治療説明を行うにあたり、つい、専門用語を使ってしまうなどして、患者さんを困惑させてしまうことが多々あります。わかりやすい説明を行うコツや、小児患者さんとのコミュニケーション方法、マニュアルの作り方、スタッフの指導法などがありましたら教えてください。
──千葉県・Fデンタルクリニック
A
わかりやすい説明のコツ
 わかりやすい説明のためには、ツールを活用することをお勧めします。市販の患者さん向けリーフレットなどを使ってもよいのですが、自院で準備すると、より気持ちが伝わりやすいと思います。患者さんにわかりやすい言葉が使ってあれば、簡単なもので構わないでしょう。たとえば、「タービン→ドリル」、「バキューム→掃除機」、「光照射→レーザービーム」などです。
  当院では、処置別の説明用カードや医院の方針をまとめたニュースレターなどを作成し、それを用いています。初めて麻酔を使ったときや、処置のときには必ず説明用カードを使って説明を行い、治療後、それをお渡しします。
  診療室では、小児の患者さんはもちろんのこと、その保護者も少なからず緊張しています。ベテランのスタッフがわかりやすく説明をしたとしても、その内容を十分理解し、家庭で実践することは難しいと思われます。たとえ診療室で納得しているようにみえても、すべてを覚えて帰るのは困難でしょう。それを補い、家庭でも治療後の注意事項に関して思い出してもらうツールとして、説明に使ったカードが手元にあれば手助けになると思います。
  最初は母親の同伴でも、その後、父親や祖父母など、別の方が付き添われる場合も珍しくありません。その場合はとくに、説明ツールは家庭内のスムーズな伝達に関して大きな役割を果たします。保護者への説明がうまく伝わらないことが思わぬトラブルに発展することも多々ありますので、しっかりと押さえておきたいところです。

小児患者さんとのコミュニケーション方法
 基本的なTELL SHOW DO法やモデリング法などは成書にあるので割愛しますが、大切にすべきは、子どもたちに共感すること、褒めることだと思います。DHstyle2014年1〜12月号(デンタルダイヤモンド社)で連載された「子どものむし歯治療と予防に取り組んでみませんか?」がとても参考になります。
  当院では、歯科衛生士を担当制にし、責任をもって患者さんを見守る体制をとっています。担当する患者さんの兄弟や保護者が治療する際も、同じ歯科衛生士が担当します。家族単位で接することができると、家庭環境の状況が把握しやすく、その家の子育ての状況も見えてきます。そして家族全員から頼られることは、担当する歯科衛生士にとってもやりがいのある仕事になります。

マニュアルの作り方
  マニュアルがあれば、経験の浅いスタッフでも不安が軽減され、本人や保護者へ説明する際にも、一定レベルの内容をお伝えすることが可能になります。当院では、基本的にマニュアルはベテランスタッフが中心になり作成しています。初めはたいへんですが、その作業自体が問題点の抽出や業務の見直しになるのでとても有効です。もちろんマニュアルですべてを網羅することはできませんが、基本的な事柄を、洩れのないように積み上げるために活用しています。マニュアルは、意見を出し合いながら、毎年補足や追加、訂正を行い更新します。

スタッフの指導法
  当院では、新人スタッフの指導は、担当を決めて、経験を積んだスタッフが行っています。指導に際しては指導スタッフも伝達内容に不備がないようにマニュアルを用いてチェックリストにしたがって進めていきます。小児歯科の場合、本人とのやりとりだけでなく保護者へのかかわりも重要になるので、新人スタッフには最終的に院内ミーティング(症例検討会)で症例発表を行ってもらい、患者さんへの指導方法や進行状況を報告し、困っていることに対してベテランスタッフのアドバイスを受けられるようにしています。自分で症例をまとめることで、うまくいっていることやできていないことのチェックをしてもらい、レベルアップを図っていきます。
  小児歯科は、患者さんが信頼してくれて、継続して来院してくれることで初めてうまく回り始めます。長期間通院してくれている患者さんは、担当スタッフを「先生」と呼び、定期的に会いに来てくれるようになります。ときに似顔絵やお手紙をいただくこともあります。それが充実感に繋がり、次のステップへのモチベーションとなるのです。

柿崎陽介宮崎県・矯正・小児ひまわり歯科

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