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TopQ&A税務 > 相続税の節税効果の高い贈与税の配偶者控除(2015年7月号)
Q&A
税務 (2015年7月号)
Q 相続税の節税効果の高い贈与税の配偶者控除
私の財産はそれほど多くないため、相続税について心配していませんでしたが、今年から遺産に係る基礎控除額の引き下げ等相続税の課税強化がなされたことを知りました。そこで、私の相続に係る相続人(妻と子ども)の相続税の節税対策を考えていたところ、歯科大の先輩から「贈与税の配偶者控除の適用を受けると、相続税の節税効果が高い」と教えられました。その贈与税の配偶者控除の内容等について教えてください。
──大阪府・Mデンタルクリニック
A
  ご質問にもありますように、今年1月1日から相続税法の改正により、遺産に係る基礎控除額が改正前(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)の6割相当額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)に引き下げおよび相続税の税率が引き上げ等、相続税の課税強化が行われました。
  その課税強化に対する可能な節税対策を考えた際、最も有効とされる制度に「贈与税の配偶者控除」があります。
  この制度の趣旨は、「夫婦財産の形成は夫婦の協力によって得られていること」、「夫婦間における財産の移転は贈与の認識が薄いこと」等を考慮したうえで、配偶者の老後の生活安定に最も必要な居住用不動産の贈与についてのみ、贈与税の負担を軽減する目的で設けられたのが、この贈与税の配偶者控除です。
  その内容および適用を受けるための手続きは、以下のようになっています。

1.贈与税の配偶者控除の内容
  贈与税の配偶者控除は、次の(1)の要件をすべて満たした場合において、次の(2)の金額がその配偶者の課税価格から控除されます。
(1) 配偶者控除を受けるための要件
{1}婚姻期間が20年以上である配偶者からの贈与であること
{2}居住用不動産又は居住用不動産取得のための金銭の贈与であること
{3}その年の前年以前のいずれかの年において同一の配偶者から贈与税の配偶者控除の適用を受けていないこと
{4}居住用不動産については、その取得の日の属する年の翌年の3月15日までにその者の居住の用に供し、引き続き居住の用に供する見込みであること、また、金銭については、同3月15日までに居住用不動産を取得し、これを居住の用に供し、引き続き居住の用に供する見込みであること
*居住用不動産とは、配偶者が、もっぱら居住の用に供する土地または土地の上に存する権利(借地権等)、もしくは家屋で日本国内にあるものをいいます。
(2) 配偶者控除額
  次の{1}と{2}のいずれか少ない金額が贈与税の課税価格から控除されます。
{1}2,000万円
{2}居住用不動産の価額+金銭のうち居住用不動産の取得に充てられた部分の金額

2.贈与税の配偶者控除を受けるための手続き
  贈与税の配偶者控除の適用を受けようとする者は、贈与税の期限内申告書または期限後申告書に、贈与税の配偶者控除の適用を受ける金額等を記載するとともに、次の書類を添付して提出しなければなりません。
{1}贈与者と婚姻期間を証する書類
財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は戸籍抄本及び戸籍の付表の写し
{2}居住用不動産を取得したことを証明する書類、居住用不動産に関する登記簿の謄本又は抄本
{3}居住用不動産を居住の用に供していることを証明する書類、居住の用に供した日以後に作成された住民票の写し
  以上のように、贈与税の配偶者控除は最高2,000万円とされていますが、贈与税の基礎控除額110万円を加えると、2,110万円までの金額について贈与税は課税されません。
  なお、この贈与税の配偶者控除の適用を受けて財産の移転をした場合には、その居住用不動産の固定資産評価額に対し、3%の税率で不動産取得税が課税されますので、ご留意ください。

今村 正税理士今村正事務所

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