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TopQ&A法律 >ホームページも医療広告の対象に!?(2018年3月号)
Q&A
法律(2018年3月号)
Qホームページも医療広告の対象に!?
●2017年3月号のQ&Aにて、「ホームページやSNSによる広告は、原則として規制対象となる医療広告に該当しない」と記載されていましたが、他誌にて今後はホームページによる広告も医療広告に該当するとの記事を読みました。今後の対応を教えてください。
── 東京都・T歯科
A
 これまで、医療法の規制対象となる医療広告とは、
(1)患者の受診等を誘引する意図があること
 (誘因性)

(2)医師・歯科医師や診療所等の氏名・名称が特定可能であること
 (特定性)

(3)一般人が認知できる状態にあること
 (認知性)

の3要件すべてを満たすものとされていました。そして、医療機関のホームページは、一般人が検索するなどして能動的に接するものであり、受動的に認知するものではないため、(3)の要件を欠き、原則として医療広告には該当しないとされていました。
 しかし、美容医療サービスに関する消費者トラブルの相談件数が増加していることを受け、ホームページにも規制を及ぼすことが妥当と考えられるようになりました。
 そこで、医療広告の要件としては、(1)「誘因性」と(2)「特定性」のみで足り、(3)「認知性」を不要とする医療法改正が行われ、これによりホームページも医療広告に該当することとなりました。ホームページに限らず、たとえば医療機関のランキングサイトやクチコミサイトなども、(1)、(2)を満たせば医療広告に該当します。なお、改正医療法は平成29年6月14日に公布され、上記の事項は公布日から1年以内に施行されます。
 ホームページも医療広告に該当するようになると、規制が及ぶようになります。具体的には、医療法および同施行規則上禁止されている「広告が可能とされていない事項の広告」、「虚偽広告」、「比較広告」、「誇大広告」、「客観的事実であることを証明することができない内容の広告」、「公序良俗違反の広告」、厚生労働省の医療広告ガイドラインで禁止されている「品位を損ねる内容の広告」、「他法令又は他法令に関する広告ガイドラインで禁止される内容の広告」が掲載できなくなります。このうち「広告が可能とされていない事項の広告」については、ホームページなどの患者の情報収集手段としての有用性に照らし、患者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合は、例外が設けられる可能性が留保されています。
 これらの禁止される広告について、医療広告ガイドラインに複数の例示がありますが、ここでいくつかピックアップして紹介します。
 「広告が可能とされていない事項の広告」については、死亡率・術後生存率や未承認医薬品による治療の内容などが該当します。
 「虚偽広告」は、たとえば医学上、絶対安全な手術はあり得ないため、「絶対安全な手術です」などの記載が該当します。
 「比較広告」は、「日本一」、「No,1」、「最高」などの文句が該当します。
 「誇大広告」は、たとえば病院が都道府県知事の許可を得て開設するのは法律上当然のため、「知事の許可を取得した病院です!」などと「許可」を強調表示することが該当します。
 「客観的事実であることを証明することができない内容の広告」は、患者の体験談の紹介などが該当します。
 「公序良俗違反の広告」は、わいせつ、残虐または差別を助長する図画、映像または表現等が該当します。
 「品位を損ねる内容の広告」は、たとえば「いまなら○円でキャンペーン実施中!」といった費用を強調したものが該当します。
 このように、改正医療法の施行に備え、医療機関のホームページに禁止される内容が含まれていないかどうか、いま一度確認する必要があります。

井上雅弘
銀座誠和法律事務所

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