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求人専用ホームページ（以下、HP）は、必ず作成してほしいです。現在、歯科衛生士の求人倍率は20倍以上といわれています。つまり、１人の歯科衛生士を20医院以上で取り合っている激戦状態です。この人材獲得競争に勝つためには、打てる手は積極的に打っていく必要があります。
　HPも打つ手の一つです。よくある歯科医院のHPはあくまでも患者さんに対しての情報発信媒体です。なかには、自院のHP上でスタッフの求人情報も合わせて発信しているケースも見受けられますが、お勧めできません。二兎追うものは一兎も得ず、１つのHPに、１つのターゲットが基本です。１つのHPに２つのターゲットは欲張りすぎなのです。
　自院のPRを行うと考えてみると、わかりやすいと思います。自院のPRといっても、患者さん向けと、応募者（スタッフ求人）向けとでは、訴えるポイントが違います。患者さん向けは院長の技術や専門性、治療の方針・特長、スタッフ対応、設備などがPRの中心になりますが、応募者向けは働きやすさといった職場環境や福利厚生制度、労働条件などが中心になると思います。
　このようにターゲットが異なれば、訴えるポイントも違ってくるのです。たとえば、一つのHPに患者さん向けの情報と応募者向けの情報が混在して掲載されていればどうでしょうか。応募者から見てもわかりづらいと思います。さらにいえば、見る必要のない情報まで、患者さんが見てしまうリスクもあります。
１．求人専用HPのメリット
　求人を行うのであれば、求人専用HPを制作します。それは、いまの時代には最低限必要な求人マナーだと思います。そこで、求人専用HPのメリットを大きく３つにまとめました。
(１)応募者から見てわかりやすい
　HPを見てもらう対象を応募者（求職者）に絞り込めるため、その人に向けて、自院のPRや強み、働くメリット、院長の思いや熱意などをダイレクトに伝えることができます。
(２)SEO対策にも効果的
　患者さん向けの歯科医院のHPに求人コンテンツを組み込むよりも、求人専用HPのほうが、Yahoo!やGoogleといった検索エンジンで「地域名＋歯科衛生士求人」などで検索された場合には、上位表示されることがあります。そういった意味では、SEO対策にも効果的です。ちなみに、SEOとは検索エンジン最適化のことで、検索エンジンで検索された場合に、HPを上位表示させることをいいます。
(３)求人票からもアクセスしてもらいやすい
　ハローワークの求人票を見た応募者から、求人専用HPへアクセスしてもらえる可能性が期待できます。求人票にはHPのURLを記載する箇所がありますが、歯科医院のHPに求人コンテンツを組み込むとどうしてもトップページの下階層になってしまい、URL自体が長くなります。
　しかし、求人専用HPであれば、短いURLを設定することが可能になります。短いURLのほうが、ユーザビリティに優れているので、応募者からアクセスしてもらえる可能性も高まるでしょう。
２．求人専用HPの掲載コンテンツと制作するうえでの留意点
(１)効果的なコンテンツ
　求人専用HPに掲載する効果的なコンテンツや留意点についても解説します。
　効果的なコンテンツは、スタッフ（先生含む）紹介です。応募者はスタッフ紹介を見て、実際にそこで働いているスタッフの人柄を感じとり、職場の雰囲気をイメージします。そのイメージと自分が働いている姿がバッチリ重なれば、その歯科医院に興味が湧き、応募したくなるものです。
　また、最近入社したスタッフがその歯科医院を選んだ（入社を決めた）理由やポイントなども、スタッフにヒアリングしたうえで掲載してください。それが、応募者を魅了するキラーコンテンツになります。
　その他のコンテンツとしては、独自の教育体制や福利厚生などがあれば、ぜひPRしてほしいです。
(２)求人専用HPを制作するうえでの留意点
　HPを制作するうえでの留意点は、スマートフォン（以下、スマホ）対応にすることです。応募者の90%以上はパソコンからではなく、スマホからHPにアクセスしてきます。せっかく求人専用HPを作ったとしても、スマホに対応していなければもったいないです。見にくい・わかりにくいHPは、応募者に敬遠されて、すぐに閉じられてしまいます。
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　歯科衛生士は超売り手市場なので、応募者に不要なストレスを与えることなく、見やすい・わかりやすい求人専用HPを制作してみてください。

牧 伸英●（一社）日本歯科労務コンサルタント協会
代表理事・社会保険労務士