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Q&A
経営 (2018年9月号)
Q 受付スタッフに求められる資質
●当院の受付スタッフが退職することになり、新たに求人を出して募集することになりました。長く勤めてくれたベテランの受付でしたから、後任者には求める条件がいろいろと高くなりがちなのですが、受付として重視すべき点はどういったことでしょうか。
──徳島県・Tデンタルクリニック
A
受付業務を任せる人材でもっとも重要視すべき点は、さまざまな要望を抱えて来院する患者さんが、何を求めているのかを理解し、その解決に向けて的確に対応できる「コミュニケーション力」です。遠回しな表現で何かを尋ねてくる患者さんが、本当は何を言おうとしているのか、あるいは、強い口調で不満を訴える患者さんの気持ちの奥には何があるのかといったことに思いを巡らせ、時にはわかりやすく、時には丁寧に根気強く対応できる資質をもった人に任せたいものです。
 また、患者さんとの関係を良好に保つために、対応の仕方についてはいろいろな方法を身につけていきたいです。患者さんそれぞれの異なる求めに応じて、適切な言葉を選び、その場に相応しい身のこなしや態度で、患者さんにとって気持ちのよい対応ができるかといったことです。
 つい陥りがちになるのが、患者さんの要望を聞くより前に、医院の都合や状況を患者さんに対して出してしまうことです。もちろん、時には患者さんからの理不尽な求めに対して辟易することがあるため、つい予防線を張ろうとして、先に医院の考えを述べてしまい、逆に患者さんの不満を増大させてしまうこともあるかもしれません。
 しかし、そういったときでも、つねに一定の対応を心がけ、患者さんの不満を和らげる、あるいは解消する対応力をもっているかどうかは、今後受付業務を任せるうえで非常に重要なポイントとなります。
 そして、つねに前向きに物事を捉えることができる心の強さが必要です。患者さんから厳しいクレームや不満をぶつけられたとしても、それが後に自分の力となる貴重な経験をしているのだと思えるかどうかです。あるいは、何かトラブルが生じたときにも、他に原因を求めず、自分にも何か問題があったのではないかと振り返ることができるかどうか。同じ失敗を繰り返さないように、新たな対応を考えられる力をもっているかが大切です。
 素直に物事を捉え、何事にも真摯に向き合う姿勢が、患者さんの信頼に繋がり、周囲に安心感を与えることができます。また、そうした人材は、非常に人間味に溢れるため、患者さんからも親しみをもってもらえる存在となるのです。
 受付として、カルテの整理整頓がうまく、現金、物品の管理が間違いなく行われることが必要なのはいうまでもありませんが、それらがうまくいかない場合は、本人の資質を問うのと同時に、作業内容に無駄はないか、煩雑になっていないかといった、院内の仕組みに問題がないかどうかも検討してください。
 良好な対人関係を維持する能力から、そつなく事務処理を遂行する能力まで、すべてを備えた人材を見つけることは困難です。事務的なことに関しては、最低限の対応力を兼ね備えていればそれでよく、あとは業務の仕組みの改善を重ねることでカバーしましょう。
 人材獲得が非常に厳しい昨今の状況にあっては、最初からすべてを求めようとするのではなく、患者さんの気持ちを的確に理解できる力、および患者さんとのかかわりを良好に維持することができる力に焦点をあてて、選考を進めるとよいと思います。

門田 亮デンタル・マネジメント・コンサルティング

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